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夢のような時間をくれる甘~い部屋に一緒に迷い込みたい。【週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル】vol.19

SERIES -週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル

一緒にいられるなら、どこだっていい。
ーーなんて、ごめん、きれいごと。
どこだっていい、けど。ほんとうは、よりきれいでゴージャスがいいし、非日常を存分に味わいたいし、そんなに遠い場所じゃなくて気軽に行けて、お泊りセットも持っていきたくないし、お財布もあんまり傷まない……すべてのわがままを叶えてくれるところで、一緒にいたい。
そんな、”都合の良さ”がぎゅっと凝縮しているのが、今どきのラブホテル。
旅行誌には載らないけれど、遜色なく魅力的なホテルを、花音うららさんとともに発掘&紹介してゆきます。

スイーツホテルショコラ渋谷店
〒150-0044 東京都渋谷区円山町19-9
https://shibuya-sweetshotel.com/

21年11月。
「渋谷にお菓子の家がある!」
そんなつぶやきがSNSに書き込まれると、瞬く間にその存在が拡散、話題になったラブホテルを知っていますか?
何の変哲もない雑居ビルの並びに突然、巨大スイーツたちが壁にあしらわれた、ピンク色とチョコレート色の向かい合う建物が現れるのです。でも、外観だけで驚くのは、まだまだ早かったようで……。
301号室のドアを開けた花音うららさんが、「うわあー!」と歓喜の声をあげる。

花音うららさん(以下、花音)「えーーー! すごい! かわいい!! 実は前から存在は知っていて、気になってはいたんです。この派手な建物の前を通るたびに、『ファンタジックなテーマパークみたいだなあ。ここだけ異次元!』と思っていて。でも、お部屋は予想を超えてきました。小さい頃に憧れた、お菓子の家そのもの!ヘンゼルとグレーテルになった気分です」

花音さんの目に飛び込んできたのは、チョコレート色のワッフルコーンに入ったバニラ&ストロベリーアイスクリームをモチーフにしたソファと、ドーナツクッション。
ガラステーブルには、無数の小さなスイーツが埋め込まれているし、背景の壁には、てりってりに艶めく美味しそうな巨大チョコレートが貼りつけられていて。
そしてどこからともなく、甘い甘い香りが漂ってくる。

花音「どこを見てもかわいい! 特にドーナツのクッション、超かわいい。自分のお部屋にもほしいですね。ていうか、この美味しそうな香り、どこからですか? 壁のチョコレートも美味しそうだし、お腹すいたあぁ」

本能のままお食事メニューに手を伸ばす花音さん。サーロインステーキにカプレーゼにアボカドシュリンプサラダに、若鶏のデミソースオムレツからヒレカツ膳、自家製ミルフィーユチョコバナナなまで……お手頃価格であらゆるジャンルを網羅したメニューはすべて、ここで作っているそう。午前6時から11時までは、なんと100~200円でしっかりとしたモーニングが食べられちゃうサービスもある。

花音「こんなにメニューが豊富なラブホテル、初めてです。ごはんがちゃんとしているラブホって、すごく理想的ですよね。どれにしようかなあ。でもやっぱり、スイーツを頼みたくなっちゃいますよね。お腹すいた!」

花音さんがこんなにおなかペコペコになるのは、絶対に背景のチョコレートのせい。

花音「ひとつ、ふたつ……全部で20種類くらいのチョコレートがくっついていますね。このつやつや感、本物のチョコレートみたいでリアルすぎません? この甘い香りはここから出てるのかなあ?」

顔を近づけてみるけれど、発信源はどうやらここではないもよう。「どこだろう?」と鼻を鳴らしながら探ること数分、花音さんがたどり着いたのは、バレンタインチョコレートのパッケージみたいな、真っ赤なハート型の浴槽があるバスルーム。

浴槽には、通常のカランのほかに、「CHOCOLATE」と書かれた謎のゴールドの蛇口が。好奇心の赴くままに花音さんがその蛇口をひねると、流れ出てきたのは……。

花音「え! うそ!? チョコレート!? チョコレートが蛇口から出てくるなんて、夢みたい。香りの元はここですね」

なんと、1回の浴槽分のみチョコレート風呂に入れるというファンタジックなサービスとのこと。お湯が溜まるまで、もうひとつあるというお風呂へ。

花音「こっちは露天風呂なんだ! なにからなにまで、渋谷だと思えない」

内風呂と同じく真っ赤な浴槽で、壁にはつやっつやチョコレート。見上げると、青空がちゃんと見える。「どうしよう、かわいすぎて、“エッチしたい”っていうより、わくわく感が強くなっちゃう」と花音さんがつぶやいてようやく思い出す。

そうだ、ここはラブホテルだった。テーマパークに来たみたいにはしゃいでしまったけれど、れっきとした、パートナーといちゃいちゃを楽しむ場所だった。
そう思い出したのも束の間、ラブホテルのお部屋の主役であるベッドも、抜かりのない童話仕様なのでした。

花音「ホタテ貝のベッド! かわいい~~! またカラフルなクッション♡ これ、大好き。クッションが美味しそうすぎて、ベッドのマットレスがスポンジケーキに見えてきちゃう(笑)」

だめだ、またまたわくわく感が勝ってしまった。さらに、ベッドの後ろになにか発見した様子の花音さん。

花音「見て見て! 電話がチーズバーガーなの。ちゃんと電話できるし、面白いしかわいすぎます!」

徹底した世界観のお菓子の部屋。パートナーがここに連れてきてくれたら、やっぱりわくわく感が勝って、エッチどころではなくなってしまうのだろうか。

花音「うーん、どうだろう。でもやっぱり、エッチな気分にはなると思います。『こんなところに連れてきてくれる男の人って、どんなエッチしてくれるんだろう? 私、どんなふうにされちゃうの?』って、ドキドキするかも。平凡じゃないってことですからね。期待しちゃうかも……」

ホタテ貝ベッドに寝転びながら、そんな妄想をする花音さんは、童話の中のお姫様さながらの美しさ。おそろしい魔女に囚われて、お菓子の部屋に閉じ込められて、いつか王子様が助けに来そう。

花音「こういう話をしていたら、急に恥ずかしくなってきちゃいました。さっきまでわくわく感だけだったのに」

静かに下からワンピースをまくりあげると、マシュマロのような素肌に、綿菓子みたいな白いアンダーウエア。まるでお菓子の部屋の一部になったような、甘い甘いオーラを放っている。

花音「実は私、人の前で肌を見せるのがすごく恥ずかしいんです。パートナーの前だと特にそう。『これからエッチなことが始まる……!』と思うと、緊張と恥ずかしさで固まっちゃうんです。自分から仕掛けるなんてもってのほか。相手もシャイだと、一生何も始まらずに、ただふたりで並んで寝て朝を迎える……ってなりますよ(笑)。そう、だからね、いっそのこと早く裸になって、勢いをつけたいんです。というわけで、チョコレートのお風呂に入っていいですか!?」

ちょうどチョコレート風呂が溜まったのを見計らって、花音さん、念願のブラウンカラーのお湯へドボン!

花音「めっちゃ甘い香り! お肌もイキイキしているのが伝わります。私の体も甘くなっているかな?」

味見していい? なんて不埒な質問に、花音さんは、熱気のせいか照れなのか赤らめた顔を縦に振る。
お姫様と迷い込んだお菓子の部屋から、しばらく出られそうにないかも……。

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