セクシー女優たちの知られざる一面を垣間見るフォトレポート連載「She Sees Scene」。フォトグラファーのヤンス・キムさんが切り取るのは、本人すら気づいていない刹那の「Scene」。
第5回に登場するのは、花が大好きな“あいぱん”こと山岸逢花さん。撮影中も花束を愛おしそうに見つめる横顔が印象的だった。
終始柔らかい笑顔を見せた山岸さんは最近、自分と向き合う時間が増える中で、大きな変化が訪れたという。
取材中流れていたharuka nakamuraさんの楽曲とともに、彼女から出た言葉。
「自分を形づくるものを、自分で選びたい」──変化を経た山岸逢花という女性の芯を感じた。
山岸逢花が愛でる花々
自分を構成するもの、自分で選ぶ
──山岸さんは花が好きとうかがいましたが、特別好きな種類はありますか?
山岸 最近は、ダリアが好きですね。前からかっこいいなと思っていたんですけど、自分には似合わないんじゃないかって。
今まで、自分に似合うのはカスミソウのような主張の薄い、素朴な花だと思っていたんです。でも、最近自分の中で変化があって、より華やかで芯がある花を選びたい気分なんですよね。
──具体的にどんな変化があったんでしょうか?
山岸 私、ずっと人に合わせながら生きてきたタイプだったんです。自分の気持ちよりも、人がいいと感じるものを選んだ方がいいと思っていました。自分のこだわる必要のないことは、人に合わせる方が円滑だとか思ったり。
でも、コロナ禍で過ごし方が少しずつ変わってきて、自分と向き合っていくうちに、自分が好きだと感じたものは、声を大にして好きと言っていきたいなって。
──KAI-YOUでの連載「ガール・ミーツ・ストリート」のインタビューでは、まだ自分探し中とおっしゃってましたよね。心境の変化にきっかけはあったんでしょうか?
山岸 もともと自分自身に対して考えることはあるんですけど、腑に落ちなかった失敗から自分のことを振り返ってみたんです。
そうすると自分の今までの考え方って本当にそれでいいのかなって思えてきて。結局はどっちつかずにしてきたことが招いていて、一瞬人のせいにした失敗の結果はそれまでの自分の選択次第だったんですよね。
そんなこともあって、今はもっと心の声を受け取って自分を構成するものをきちんと選んでいきたい気分なんです。だから花も、一本筋が通ったような主張のある子に惹かれちゃいます。
──自分に正直に「好き」って言うのは意外と難しいですよね。
山岸 そうなんですよ! これが好きですっていう自分の発言ひとつひとつが、私自身を形づくると思うので、そのイメージで誰かにカテゴライズされてしまうのがずっと怖かったんです。
でも今は、自分の発言にも好きなものにも、きちんと責任を持ちたいと思うようになりました。ずっと逃げてたことに、向き合おうとしているタイミングなんだと思います。
──花以外で選び方が変わったものはありますか?
山岸 音楽かな。ヒップホップも好きなんですけど、最近は癒やされたい気分なんです。七尾旅人さんやカネコアヤノさん、haruka nakamuraさんとか、ゆったりできるような音楽を選んだりしますね。
ダメな自分を許してあげるのが今のポリシー
──山岸さんは自立した女性という印象がありました。ここまでのお話で、最近はご自身でもそういった実感はあるんでしょうか?
山岸 まだまだ実感なんてないですよ!自分では子供だなと思うことばかりですね。でも最近は仕事の幅も増えていろんな人と関わるようになって、支えてもらったり気づかせてもらうことが多いです。
──どんなときに子供っぽいと思われるんですか?
山岸 人には厳しいところもあるのに、自分には甘かったりするんですよね。意外と時間にルーズなので、友人との待ち合わせには必ず10分遅刻しちゃったり……。
──それは意外ですね。
山岸 写真のイメージだと、すごくしっかりしてるように見られるみたいなんです(笑)。時間の管理はけっこう苦手で、次の日に予定があっても夜ふかししちゃうことが多いんです。
やりたいことに集中しすぎて気づいたら深夜3時……なんてこともよくあります。それでも生きていけてるから大丈夫でしょっていう謎のポジティブさで、自分を納得させています(笑)。
──自分を責めすぎないポジティブさも大切なのかもしれません。
山岸 私は1人だけど、いろんな側面があって、今はダメなところも含めて”自分”だと思うようにしています。
「きちんとした自分じゃないとダメ」って思いが強すぎると、やっぱり結構しんどいんですよね。出来ないことは意外と人を頼るとうまくいったりして、こうでなきゃいけないと思いすぎないことも今の自分のポリシーです。
自分の足りない部分を適度に許しつつ、いいところは褒めながらバージョンアップしていきたいですね。