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いろんな色が重なりあう部屋のなかで、変化する私をじっと見つめてほしい。【週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル】vol.11

SERIES -週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル

一緒にいられるなら、どこだっていい。
ーーなんて、ごめん、きれいごと。
どこだっていい、けど。ほんとうは、よりきれいでゴージャスがいいし、非日常を存分に味わいたいし、そんなに遠い場所じゃなくて気軽に行けて、お泊りセットも持っていきたくないし、お財布もあんまり傷まない……すべてのわがままを叶えてくれるところで、一緒にいたい。
そんな、”都合の良さ”がぎゅっと凝縮しているのが、今どきのラブホテル。
旅行誌には載らないけれど、遜色なく魅力的なホテルを、百瀬あすかさん(以下、百瀬)とともに発掘&紹介してゆきます。

写真・小林弘輔

HOTEL RAY FIELD
Address 〒130-0022 東京都墨田区江東橋4-6-13
https://fairy-group.jp/ray-field/

都内屈指の広々としたラグジュアリールームが集う錦糸町で、また見つけてしまった。

エレベーターを降りると目に入るのは、802号室のドアを縁取る、パルテノン神殿を彷彿とさせるアーチ。それだけで、スペシャルなお部屋だってわかる。

ドアを開くと、お部屋に入る前にもうひとつの内扉。ステンドガラスが、隠れ家風ヴィンテージショップみたいで、乙女心をくすぐる。

足を踏み入れると、赤と黒の、コントラスト強めな、よりいっそう非日常空間。ゴシックな雰囲気の壁に、ゴールドスタッズの革張りソファ。その背景には赤い壁に、デザイナーズミラーがセンスよく掛かる。

ソファにしなだれかかる百瀬さんがなんだか、小悪魔に見えてくる。誘惑されて、ふらふらついて行ったあげく、軽くあしらわれるような、そんな悪い娘に。

「なんだか危険な香りがする……。これぞラブホテルの醍醐味ですよね。この、ふつうの部屋じゃない感じ」(百瀬)

手を伸ばしたメニュー表には、大好物のお寿司が。

「絶対お寿司は頼みたい! あとビールでしょう。それから……夏の特別メニューもあるんだって。お祭りの屋台みたい。やーん、ビールが進みそう~」(百瀬)

そして「ねえ、ジャンプしていい?」といたずらっぽい表情を浮かべ、ダマスク柄のカバーがゴージャスな、座ると足がつかないほど厚いベッドに飛び乗る百瀬さん。

「せーの! きゃー! これすごい! めっちゃ飛ぶ! きゃーーー楽しい! はずむベッド! だいすき!」(百瀬)

マットレス3枚分ほどもありそうな厚みがあるんだもん、そりゃあ飛んでみたくなる気持ちもわかる。

そんなふうにはしゃいだと思ったら、一転して静かにベッドにうつ伏せになって、百瀬さんはベッドの寝心地を確かめる。無自覚なS字ラインの腰が、ベッドに沈む。

「弾むし、寝ると気持ちいいし、これは良いベッドだわ。最高です。ほしい。あーー寝ちゃいうそう」(百瀬)

深く身を沈められるベッドって、最高。

「やっぱり気持ちいい、このベッド。もしここにパートナーと来るなら、とにかくベッドでごろごろしたい。まったりしたい。癒やしがほしいいんです(笑)」(百瀬)

しなやかに身体をよじり、態勢を変えながらおしゃべりする百瀬さん。上目遣いの猫みたいに印象的な瞳で、吸い込まれそう。黒く長い艶髪が白いシーツに放射状に散って、この部屋でいちばんゴージャスな存在みたい。

魅力的な彼女に吸い込まれそうになる前に、ちょっと待って。このお部屋のメインは、ベッドルームを越え、まだまだ奥に。

当然のようにカーラーなどの女子必需品が揃った広々としたメイクルームも越え、ガラス張りの抜け感溢れるバスルームを越えると。

「え!? こんなところ初めて! 広いしキレイだし、ふつうのお風呂屋さんと同じくらい本格的!」(百瀬)

広々とした前室にはテレビがかかり、さらに奥に、ようやくサウナベンチがある。通常のラブホテルサウナの2倍以上はありそうな広さで、オレンジ色の間接照明だけのほの暗さで、誰にも遠慮せずにリラックスできそう。

昨今のサウナニーズに応えたホスピタリティは、まだまだ続いて……。

「サウナの奥にもドアがあるんですよ。開けていいですか?」(百瀬)

とたんに、ぶわっと熱気が拡散されたのは、ドアの先がテラスだから。開放的な太陽光が、間接照明を圧倒して、さらなるリラックス効果が味わえる。

「サウナーなら絶対うれしいですね! サウナで汗を出したらここで涼んで。ねえ、見て、公園の緑が見える。あーー、気持ちいい。ラブホテルって閉じた空間だから、外に出られるのはすごくうれしいですね」(百瀬)

もちろん照明があるから、夜は一転してムーディーなサウナ体験が可能。

さて、ひととおりお部屋を探検して満足気な百瀬さんは、素肌になっていよいよサウナを体験。

「すごい、ロウリュウ体験もできるみたい。本格的! ふう、あっつい。早くテラスで涼みたい~(笑)」(百瀬)。

汗ばんだ肌に、オレンジの照明が反射して、艶っぽい素肌がよりつやめく。健全に楽しみたい気持ちが吹き飛んで、イケナイ気分になってしまう。

さて、そろそろバスルームの準備が整ったころ。

まんまるの浴槽に、天然大理石の床に、窓からは空とビルが見えて、都会の真骨頂がここに詰まっている。

無邪気に広げた両手から、泡の花びらが舞う。この部屋に入ってから、ころころと変わる彼女の表情に、ずっと翻弄されっぱなし。彼女のすべての表情が引き出せるのは、このお部屋の表情がーーギリシャに小悪魔調にアーバンテイストに、本格サウナにーーひとつではないからかも。

だからラブホテルって、楽しいんです。

「泡がいい感じ! ねえ、泡飛ばしていい? いくよ? そっち飛んじゃうよ? せーの! わーーーい!」(百瀬)

無邪気に広げた両手から、泡の花びらが舞う。この部屋に入ってから、ころころと変わる彼女の表情に、ずっと翻弄されっぱなし。彼女のすべての表情が引き出せるのは、このお部屋の表情がーーギリシャに小悪魔調にアーバンテイストに、本格サウナにーーひとつではないからかも。

だからラブホテルって、楽しいんです。