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気張らないセンスの良さに、リラックス。だから赤裸々にも無防備にもなってしまうプライベートな空間。【週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル】vol.12

SERIES -週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル

一緒にいられるなら、どこだっていい。
ーーなんて、ごめん、きれいごと。
どこだっていい、けど。ほんとうは、よりきれいでゴージャスがいいし、非日常を存分に味わいたいし、そんなに遠い場所じゃなくて気軽に行けて、お泊りセットも持っていきたくないし、お財布もあんまり傷まない……すべてのわがままを叶えてくれるところで、一緒にいたい。
そんな、”都合の良さ”がぎゅっと凝縮しているのが、今どきのラブホテル。
旅行誌には載らないけれど、遜色なく魅力的なホテルを、百瀬あすかさん(以下、百瀬)とともに発掘&紹介してゆきます。

写真・小林弘輔

HOTEL 555
〒130-0022 東京都墨田区江東橋4-12-9
https://www.hotenavi.com/555-13/

ラブホテルって、外観に「◯時間◯◯円」とか掲げられていて、いかに魅力的な価格かを推しがち。でも、こんなラブホテルはじめて見た。推しているのは、なんとグルメ。

<24時間インルームダイニングメニュー充実>
<スープカレー 1日5食限定販売 サッポロスープカレー界のレジェンド アジャンタインドカリ店 意地長岡 とりカリ ¥1,650>
<大人のイタリアン からすみパスタ ¥850>

その理由は、経営する会社にあった。
ほかにもさまざまな事業を展開しているから、ラブホテル特有の非現実性だけではなく、広い視野でエンタメ性やホスピタリティにこだわっているそう。この付加価値、ラブホテル選びの大きなポイント。
ここ、「HOTEL 555」は、各階のフロアコンセプトを設けられていて、女子が好きなエンタメ性がたっぷり。
今回目指す802号室のコンセプトは「透 Platinum Love Style Floor Designers&Mode」とのことだけど、一体どういうことだろう。

百瀬さんがドアを開ける。

「あ、なんか落ち着くお部屋。目に入ってくる情報が落ち着いているから、リラックスできそうな雰囲気です。ドアを開けたら横に広がるのも珍しいですね。広すぎないから、プライベート感があってすてき。私、広すぎるとそわそわしちゃうタイプだから(笑)」(百瀬)

たしかに、デザイナーズでモード。気張らないセンスの良さが空間に広がる。白い壁にブラウンのフローリング。サイバー系な間接照明の光だけが頼りな、暗めなお部屋に、正面にマッサージチェアが2台、右側にベッドルーム、左側にはソファとテーブルがあるリビングルーム。ベッドルームが一段高くなっていて、プチメゾネットな気分。
ベッド好きの百瀬さんは、真っ先に右に歩みを進め、ベッドへ直行。

「ベッドが好きなんです。疲れちゃったから、ちょっと休憩~」(百瀬)

ワンピースから伸びた脚を、白一色のベッドの上に投げ出して、ちょこんと座る。その腰の沈み方で、質の良い寝心地が叶えられそうなベッドであることが、伝わる。

ベッドサイドには、5パターン楽しめる証明のスイッチ。ベッドの横のダッシュボードには、JVCのコンパクトコンポーネントシステム。自分のスマホのBluetoothを使ってお気に入りの音楽をかけて、すぐに自分仕様のお部屋にできるようになっている。こういうところにも、リラックスを誘うプライベート感の一因がありそう。

薄暗い空間を、長いまつげをぱちぱちとはためかせながら、好奇心たっぷりに見回す百瀬さん。
そして、見つけてしまった。

「スロットはっけーん!」(百瀬)

なんとお部屋でスロット遊びができてしまうみたい。スロット初体験の百瀬さんは、さっそくコインを入れて、うきうきスタート。人差し指で、たどたどしく、ぽち。ぽち。ぽち。

「めおしー! あっ! 揃った!? いけいけ! わーーしょうりーー! ねえ、スロットって楽しい!」(百瀬)

弾んで声を上げて拍手して。スタッフが「もうそろそろ……」と声をかけなければ、おそらく1日中やっていそうなくらいはしゃいだ百瀬さんが、次に向かうのはリビングルーム。
テレビにテーブルにソファに。ここは自宅ですか? と言わんばかりの、馴染みやすいくつろぎ空間。

「落ち着くなあ、このソファ。あ、やっぱりごはんがすごく美味しそう! サーロインステーキとかビーフシチューもあるんだ。私は今日はビールが飲みたいから、焼き鳥を頼みたいな。でも、好きな人とここに来るなら、お酒は控えたい。だって私ってすぐに眠くなっちゃうタイプだから、もったいないもん。一度、ベロベロに酔って記憶が途切れ途切れの中でシタことがあるけど、気づいたら朝でした(笑)。覚えているのは、自分の声がすっごい大きかったなあってことだけ(笑)。あのときの私、もったいなさすぎ!」(百瀬)

あやうく女子会が始まってしまいそうな赤裸々トークがつい漏れてしまうのも、この部屋のリラックス感がなせるワザ。

「思い出したら顔赤くなっちゃった。お化粧直してきていいですか?」と、百瀬さんはパウダールームへ。プラチナ色に縁取られた楕円形のミラーに、クリアなガラスカウンター。洗面ボウルもクリア。こじんまりとしていながらも、乙女のウキウキ感を誘うデザイナーズ空間は、居心地良し。

浴室を覗くと、かわいさしかないまんまるなバスタブ。スチームミスト機能がついていて、1日の疲れをデトックスしたくなる。ここにもまた、リラックスポイント発見。

「かわいい~! まんまるのお風呂って、女子の憧れだと思うんです。ロビーに入浴剤コーナーもあって、好きなフレーバーを好きなだけ持ってこられるみたいだから、自分だけのためにゆっくりと癒されたいです」(百瀬)

でもでも。やっぱり究極のリラックス空間は、ベッドに限る。
よそゆきのワンピースを脱ぎ捨て、開放的でヘルシーな下着姿の百瀬さんは、念願のベッドにイン。

お酒を飲んだら桃色に染まりそうな真っ白い肌が、白いシーツに溶け込む。相変わらずのぱっちり目でこちらを見つめ、美味しそうなジューシーなグミみたいな唇で喋るのは、やっぱり赤裸々なガールズトーク。

「ラブホで寝て起きたときの、朝一番のエッチって恥ずかしいですよね。相手にムラムラされるのは嬉しいけど、朝は恥ずかしい。むり。だって、メイクも表情もばっちりな、万全の体制の自分を見てもらいたいですもん。歯を磨いて、顔を洗って、ヘアメイクした状態の自分を、見てほしい。『無防備がいいんだよ』っていう人もいると思うけど、私はちゃんとしたいな」(百瀬)

ごめん、百瀬さん、いまとっても無防備で、そしてかわいい。それはきっと、この部屋のリラックス効果のおかげでもある、と思う。