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COVER MODEL Vol.23 伊藤舞雪「ファンサイトでの交流がモチベーションに繋がっています」

SERIES -COVER MODEL

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カバーモデル連載では毎月、豊かな感性と多彩な視点で生きていく人々の姿をお届けしていきます。

第23回目は、セクシー女優・伊藤舞雪さん。

2018年にデビューし、今年で活動5年目。共演作品への初出演や「小悪魔ageha」専属モデルに電撃加入など挑戦を続けています。

着実に活動の幅を広げ続けてきた伊藤さんのモチベーションに迫りました。

文・阿部 裕華/写真・羊肉るとん

伊藤舞雪 プロフィール

1997年11月30日生まれ。2018年3月kawaii*専属女優としてAVデビュー。2019年3月1日、FANZAアダルトアワード2019にて最優秀新人女優賞を受賞。自身のラジオ番組やバラエティ番組出演・「小悪魔ageha」モデル等、様々な分野で活躍中。

 

苦手意識を克服できた、初めての共演作品

――2018年のデビューから現在までの活動を振り返り、ご自身の中でターニングポイントとなった出来事はありますか?

伊藤舞雪(以下、伊藤) デビューして1年くらい経ったタイミングで発表された「FANZAアダルトアワード2019最優秀新人女優賞」だと思います。私自身この業界でどういう立ち位置にいるかも分かっていなかったし、初めてのことだらけでいっぱいいっぱいで。「長く続けられるお仕事ではないな……」と思っていました。

だけど、アワードでノミネートされた時「こんな私でもこの業界にいていいんだ」と自信に繋がったんです。そこから徐々にお仕事を楽しめる余裕が生まれてきました。

あとは、今年に入って共演作品に初挑戦したのも大きな出来事だったかもしれません。

――今年7月に発売された「kawaii*15周年記念コラボ」での山岸逢花さんとの共演ですね。

伊藤 私、共演に対してすごく苦手意識があったんですよ。正直、共演が決まってから撮影当日まですごく重荷に感じていました。
そもそもほかの女優さんの作品をあまり見たことがなくて。さらに、監督さんから「ぱんちゃん(山岸の愛称)はすごく自然体でプレイをする子だよ」と言われて……私は監督さんから指示された順番に沿って動きたいタイプだから、動きが噛み合うのかなという不安が強くありました。

だけど、撮影本番は違うタイプだからこそお互いにフォローできることが多かったんです。ぱんちゃんが「次はどうすればいいんだっけ?」と迷っても私が覚えているからフォローができるし、私が間をつくってしまった時にはぱんちゃんがカバーしてくれる。

――お互いがお互いにサポートし合っていたんですね。

伊藤 そうなんですよ。二人三脚でできたことがすごく嬉しくて。苦手意識を持っていたからこそ、「こんなに楽しいんだ!」とすごく驚きました。これまで自分が撮影の前に誰かの作品を参考にすることは一切なかったのですが、その意識も変わりました。

VR作品はお芝居の手応えを感じられます

――伊藤さんはお芝居に定評のある印象が強かったので、「監督の指示に沿って動きたい」というお話はすごく納得しました。

伊藤 自由度の高い作品より、役やシチュエーションが決まっている作品の方が好きだし楽しいなと思っています。お芝居が上手いとは思っていないけど、見てくださった方からは「ドラマ仕立ての作品が好き」という声をいただくことも多い気がします。

――役やシチュエーションが決まっている作品の方が好きな理由は?

伊藤 自分がSなのかMなのか、どんなプレイが好きなのか、そういう好みやこだわりが曖昧なんですよね。人それぞれのイメージがあるのは仕方ないと思いつつ、伊藤舞雪として自由に動いた時に「思っていた舞雪ちゃんのイメージと違う」と思われるのも嫌で。少しでも枠組みのある中でお芝居できた方が、そういうことを考えなくていいなって。

とはいえ、しっかり準備をするというよりかは、ざっくりと流れを掴むくらいですけどね。セリフを丸暗記するとぎこちなくなるし、自然体でいられるようにアドリブができるくらいの余裕を意識しているかもしれません。

―それはこのお仕事を始めた当初から意識していることなんですか?

伊藤 どうなんでしょう……ドラマ仕立ての作品に出る方が好きだと気づいたのもここ1年くらいなので、徐々にかもしれません。
それに私、恥ずかしくて自分の作品をほとんど見たことがないんですよ。サンプルも目を細めないと見れない(笑)。だから、自分がどんなお芝居をしていてきたのか、今はどう変化したのかも正直分かっていないという……。

でもVR作品は手応えを感じることが多い気がします。

―VR作品にはどんな違いがあるんですか?

伊藤 普通のAV作品は男優さんのお芝居とのバランスを考えながらお芝居をすることに意識が向いてしまうのですが、自分一人がお芝居をする空間なので間の取り方や流れなど自分を客観視できるんですよ。
そうすると、「今上手くできたな」「間の取り方が不自然だったな」とかが分かるから、VR作品は自分のお芝居を振り返られるいい機会だなと思っています。

本気で応援してくれる人たちの近い存在になりたい

――伊藤さんの仕事のモチベーションを教えてください。

伊藤 やっぱりファンのみなさんの言葉は、モチベーションに繋がっています。SNSやレビューはもちろんなのですが、中でも特にモチベーションになっているのはファンサイトでの交流です。最初はファンクラブのように月額制だったのですが、課金だと義務感で更新しなきゃいけない気持ちになって私には合わないなと(笑)。なので今は、登録すれば誰でも見られるようになっています。

そこには自分のプライベートの写真を載せたり、撮影のウラ話を書いたり、ちょっと弱音を吐いたり……たくさんの人には見られたくないけど、よく応援してくれる人には見せたい自分を見せるようにしています。SNSより人が少ないから、コメントもじっくり読めますし、いいね!を押したりコメントをたまに返したりしていて。そうするとファンの方がすごく喜んでくれるから、それもすごく嬉しい。始めて良かったなと思っています。

――SNSより近い距離で伊藤さんのことを知れるのは、ファンのみなさんも嬉しいでしょうね。

伊藤 さっきのお芝居の話しとも繋がるのですが、活動して数年間はあまりにも自分を見せてしまうと「イメージと違う」と思われるかもしれないと思っていたんですよ。だから、TwitterやInstagramでは告知やイベント情報など必要最低限にとどめていました。そもそもSNSがそんなに得意じゃないから更新も少ないタイプですし……。

だけど、私を本気で応援してくれている人たちもいて。そういう人たちにとってもっと近い存在になりたいと思い、ファンサイトをつくったんです。

――「ファンと近い存在になりたい」と思ったのには何かキッカケが?

伊藤 私自身、応援しているアイドルがいるんですよ。ファンである自分を振り返ってみたとき、「誰かにとって私もそういう存在なのかも」と思うようになりました。SNSのように広く見てもらうことも大切だけど、数十人でも本当に好きでいてくれる人には喜んでもらいたいなって。

コロナ禍でイベントとかがなくなって直接ファンのみなさんと会う機会が減ったのも大きくて。本当に、ここ数年で意識が変わりました。

――イベントへの向き合い方も変わってきたのではないでしょうか?

伊藤 変わりましたね。コロナ禍前は毎月リリースイベントをやっていたけど、コロナ禍後は機会自体が減ってしまって。その分、1回1回のイベントをより楽しんでほしいと思うようになりました。私自身も当たり前にやっていたことが1回なくなったからこそ、今は毎回のイベントがより楽しみになりました。

“安心安定のまゆきち”でいたい

――今年は「小悪魔ageha」専属モデルに加入もされました。セクシー女優とはまた違うお仕事はいかがですか?

伊藤 もともと写真のお仕事は好きなので、すごく楽しいです。今年は写真集の撮影もしたのですが、自分の意見を汲んでもらえるのも嬉しいなって。

AVでもパッケージの写真撮影はしてきたのですが、パッケージの写真撮影が「伊藤舞雪」だとしたら雑誌やスチールなどの写真撮影は「本名の自分」に近づいている感覚があります。どちらも好きなんですよね。

――見てくださる方も違いますもんね。

伊藤 そうですね。パッケージは男性が喜んでくれそうなことを、雑誌やスチールは女性が喜んでくれそうなことを意識しています。これまでは男性に向けたお仕事が多かったから、モデルになったことで女性にも知ってもらえたら嬉しいなと思っています。

なので、今後はランジェリーやドレスなど女性に喜んでもらえるような写真のお仕事も増やしていきたいです。そういうお仕事は自分の女性としての美意識にも繋がると思うので。

――女性向けのお仕事以外に、今後挑戦してみたいことはありますか?

伊藤 なんだろう……やりたいことが思い浮かばないくらい全部させてもらった気がするんですよね(笑)。なので、どんなことでもやります! “安心安定のまゆきち”でいたいです(笑)。

――では、そんなご自身を色で表すとしたら、何色でしょうか?

伊藤 白が思い浮かびます。どんな色にもなれる人でいたいのと、名前に“雪”も入っていますし。
あとは今後もう少し自分を見せていきたいという意味で、自分の性格に近いオレンジでもいいかも。
ハッピーラブリーでもなく、妖艶でもない、のんびりマイペースな感じでいきたいですね(笑)。

伊藤舞雪の出演作品をチェックする(FANZA)