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深田えいみが語る女優論「自分より売れてる作品は買って研究する」

取材・文:園田もなか 編集:恩田雄多 撮影:寺内暁

※2020年1月10日にWebメディア「KAI-YOU.net」にて配信された記事です

デビュー1年ながら、新作が出るたびに大手アダルト動画配信サイト・FANZAで売り上げ上位にランクイン。そしてTwitterのフォロワー数も56.6万人(※2020年1月時点)と、破竹の勢いで人気を集めるセクシー女優・深田えいみ

Twitterでは毎回ちょっとした一文とともに、衣装やポーズなど工夫を凝らした自身の写真を惜しみなく披露し、大きな反響を集めている。

にもかかわらず、作品やTwitterで見せるその美貌から高い人気を得る彼女が、いったいどんな女性なのか、そのパーソナルな部分は謎めいている。

KAI-YOUでは2月から深田えいみさんによるお悩み相談連載をスタート。とはいえ、謎ばかりな彼女に何を相談していいのか困ってしまうという人のために、今回は連載のプロローグとしてインタビューを敢行。

セクシー女優になった経緯や仕事へのモチベーション、プライベートの話などを中心に彼女の素顔に迫っていく。

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深田えいみが語る「いつも“可愛い”で評価される女の子」

セクシー女優になろうと思った理由を聞くと、少し照れ臭そうに笑いながらも、深田さんは「お金が欲しくて……」と、ずいぶん潔く答える。

深田「デビューした当初は、美容にもっとお金をかけたくて、稼げる仕事の1つとして選んだんですよね。

私って、とにかくずっと地味な女の子だったんです。小学校の頃から、モテたことも一度もなかったし、とにかく目立たなくて、おまけに言葉のキャッチボールも苦手。好きな男の子ができて7年間片想いしていた時期があったけど、結局一度も報われませんでした。

昔から、目立ってモテるのは可愛い女の子。私自身も可愛い女の子が好きで、よくInstagramを見ていました。韓国の女の子が特に好きで、モデルのテリちゃんにはずっと憧れてましたね。

だから、心のどこかで私も目立ちたいって思っていたんです。『私の存在を認めて欲しい』って。そのためにも、可愛くなりたかった」

 

彼女は、自分自身が地味な女の子だったからこそ、女性の容姿に対するシビアな目線を痛いほど感じてきたという。

深田「たとえば、男の子の場合って、小学生のときは足が早い子、中学や高校に上がるとちょいワルやイケメン、大学に上がると教養や人格、という感じでモテる要素が変わっていくことが多いですよね。でも、女の子って基本的にずーっと、まずは顔で評価されている感じがするんですよ。

この間の沢尻エリカさんの事件も、インターネットの反応を見てたら悲しくなってしまって。『ドラマチック』とか『映画みたい』とか持ち上げられている意見も多くて。

もし彼女があれほど美しい女性じゃなかったら、同じ反応をするのかなって思ってしまった。もちろん世の中顔がすべてとは言いませんが、でも、可愛いから許されることって、本当に多いなって思いますね」

「可愛い」をやりきった後に出てきた野心

 

しかし、そんな彼女もいまは美容に力を入れたことで「可愛い女の子」としての自信もついてきたという。当初のセクシー女優になった目的は果たしたが、それでもなお現役の女優として活動するモチベーションはどこからくるのか。

深田「一旦『やりきったな』って満足してから、次のステージに上がりたいって思うようになったんですよね。そのときに自分がやりたいと心底思えたのは、セクシー女優として一番になること。

それまでに出た作品の反響がとにかく嬉しかったんですよ。Twitterでもコメントしてくれる人がいたり、たくさんRTやいいねがついたり、そういうのがすごくモチベーションになってて」

 

深田「FANZAのランキングとかも、新作が出るたびに1位を取れることが多くて、昔から抱いていた『目立ちたい』っていう気持ちがちゃんと救われている感じがしたんです。

撮影もまったく苦じゃないし、このままこの場所でてっぺん取ってみたいなって。だからいまの目標は『深田えいみ』として知名度を上げて、一番売れてるセクシー女優になることです」

深田えいみがビジネス書を読み続ける理由

 

そんな志を貫徹すべく、彼女は常にストイックだ。

深田「正直いまは、1位を取り続けてきたことで、新作が出るたびにプレッシャーがすごいです。これ以上はないから、とにかく1位をキープしないといけない。1位をとったら、嬉しいよりも、まずホッとする感じ。

2位とか3位だと、とにかく悔しくて、自分より上にいる作品はすぐに買って研究するんです。この女優さんのどこが良かったんだろうって。

そこで、いいなと思ったところは次の撮影で活かしたりする。この前は他の女優さんの真似をして撮影に激しく臨んだので、撮影後に息切れが止まりませんでした。

監督からも『なんで今日そんなにゼエハアしてるの?』って突っ込まれて。でも、とにかく自分にできることは全部したい。私は負けず嫌いだから、油断したくないんです」

上昇志向は彼女の読む本のラインナップにも現れる。

 

深田「プライベートでは実用書やビジネス書をよく読みますね。よく作品でメガネをかけていたり、文系女子というタイトルが多かったりするんですけど、小説は一切読まないからちょっとイメージとは違うかもしれない。

今の自分のスキルに還元できたり、気持ちを高められるものが好き。

最近読んだのは、GACKTさんの『GACKTの勝ち方』っていう本ですね。あとは、ROLANDさんとか、愛沢えみりさん、小川えりさんの本も読んだかな。社会的に成功した人たちの心情とか考え方がすごく気になる。絶対に私とか一般の人たちとはまるで違う思考回路だろうから」

実際に読んでみた感想を聞くと「とにかくポジティブなことばかり書いてある!」と笑う。そして「いいなと思ったところには青マーカーで線を引いたりするんです」と、そこでも一心不乱な一面を見せる。

仕事に役に立たないことはやる気が起きない

 

いわゆる文系女子のイメージとは確かに違うかもしれないが、彼女にとって本は昔から人生の助けになるものだった。

深田「同世代の子とうまくコミュニケーションが取れなかった子どもの頃は、人とうまく話す方法とか伝え方が書いてある本を読んでよく勉強してましたね。片想いが実らなかったときは、モテ本をいろいろ買って読んで書いてあること試したり。

いま振り返ったら本当にくだらないことばかり書いてあった気もするけど、当時は本気で自分に必要なものだったから、藁(わら)にもすがる思いで読んでましたね」

そして、役に立たないものは、清々しいほどに切り捨てていく。

 

深田「もともとゲームが大好きで、プレイステーション4とかニンテンドーDSとかハードもいろいろ持っているんですけど、いまの仕事には役に立つものではないので、やる気が起きないんですよね。1ヶ月くらいお休みができたらまたやるかもしれないけど。

ちなみに、好きなソフトは『牧場物語』や『どうぶつの森』、『ドラゴンクエスト』『ポケットモンスター』など、わりと可愛くて平和的なものです。

基本的に2日に1回は撮影があるから、ゲームをする余裕がないというのもあるんですけどね。貴重な休日は、買いたかったコスメを買ったり、女優さんと遊びに行ったり、美容院に行ったり、性病検査をしたりしているうちに終わっちゃう

「撮影はパズルゲームのよう」深田えいみの女優論

 

撮影がある日は、朝の5時には起き、メイクをして9時入り、そして終わるのはだいたい22時と、なかなかハードなスケジュールだ。しかし彼女は意外にも「撮影はあっという間なんですよ」と言う。

深田「淫らな女性役として出ることが多い、というのもあるかもしれません。そういう役って、ぜんぶ自分主導でやるから、とにかく忙しいんです。男優にどういうセリフを言うかも、その場その場で頭をフル回転させて考えていく。

脳内は、いままで出演してきた同じジャンルの脚本がいっぱい詰まってて、そこからその日の撮影のシーンにぴったりのセリフを引っ張り出してくるイメージです

なんかそれが自分的にはパズルゲームみたいで楽しいんですよね。ただ脚本通りに『気持ちいいでしょ?』って言うだけじゃなくて、そうやって昔のストックを応用しながら組み立てていくんです。

 

それは1人だけのシーンも一緒で、単純に1人でやって『気持ちいい』って言うだけじゃなくて、自分なりにアドリブでひねりを入れていくのが楽しいんです。自分の指を舐めながら、『あなたのだと思ってみて』と視聴者に想像させるようなセリフを入れてみたり、そっちのほうが絶対観てる人も興奮するだろうから」

そういったアドリブや工夫は視聴者に対するサービス精神であると同時に、彼女自身のためでもあったりする。

深田「私、時間がダラダラ過ぎるのが嫌いなんですよ。楽しいときって、すぐに時間が経ちますよね。そのあっという間な感じが好き。1つひとつを適当にやっちゃうと、作品もつまらないし、時間が経つのも遅いし、何もいいことない。

撮影のときも、自分から積極的にいろいろと考えてセリフを言ったりしていると、時間が経つのが早いんです。結果的に映像自体も面白くなって最高ですよね」

「朽ちた」「堕ちた」…世間の偏見は変えていきたい

 

近年、セクシー女優が地上波にも出演するようになったことで、彼女たちへの世間のイメージは変わりつつある。一方で出演強要問題などが取り沙汰されることが多く、偏見を持たれやすい職業でもある。彼女はそのイメージも変えていきたいという。

深田「私もこの業界に入る前は、やっぱり怖かったです。どんだけブラックな業界なんだ、怖い目にあったらどうしよう、とか不安になりながら飛び込みました。でも、入ってみたら、本当にびっくりするほど普通の人たちばかりなんですよ。みんなお給料をもらっている会社員で、仕事としてやってる。

セクシー女優も、やってること自体は特殊かもしれないけど、これだってほかと変わらず1つのお仕事なんです。私自身プライドを持ってやっているし、セクシー女優をやることが『朽ちた』とか『堕ちた』とか思われるような世間の偏見は変えていきたいですね」

 

自分でイメージを変えていくためにも「知名度を上げていかなくては」と語る。

深田「とにかくいまの目標は、セクシー女優としててっぺんを取ることなので。そのために男性はもちろん、女性にだって人気のある女優にならないとって思っています。

自分がなってみて驚いたんですけど、意外と女性でAVを見る人って多いんですよね。女性の方から『作品を買いました』ってコメントをくれることもあって、びっくりするけど嬉しい。

あとは、Twitter上で美容系アカウントの人たちが広めてくれたりするのもありがたいです。セクシー女優って男性には好かれて当然の職業なので、女性に好かれるためにはまたちょっと違う工夫が必要だと思っていて。

たとえば、撮影のたびに毎回髪型を変えたり、可愛いアレンジをしてみたり、メイクも少し黒みがかったバイオレット系のリップで攻めてみたり」

変わりつつあるセクシー女優の美容事情

 

とはいえこうした女性目線を意識しているのは「私に限らず、他のセクシー女優さんも同じく変化していること」だという。

深田「昔はとにかく男ウケするエロが大事だったかもしれないけど、いまは流行りのオルチャンメイクとか、雑誌のモデルさんのような髪型だったり、女性にも刺さる見た目を意識してる子が多い気がする。

もともとセクシー女優って美容意識が高くならざるを得ない職業だとも思います。すっぽんぽんになる仕事だし、動画だと何も隠せないんですよ。だからお尻にできものなんてできたら、それだけで大事件です。

私も普段の美容にはかなり気を使ってるし、ちょっとでも気になることがあったらすぐに皮膚科に行ったりします。それが仕事のモチベーションにも影響してきちゃうので」

 

もともと美容が好きだった彼女にとって、もしかしたらセクシー女優はぴったりの職業だったのかもしれない。メイクの話をするときの彼女は、ひときわ顔が明るくなり言葉も流暢になる。

深田「そういえばこの間、ツヤ肌メイクで撮影に行ったら、カメラでライト当てるからテカテカになっちゃって……。だから、それ以降は撮影用とプライベート用でファンデーションの種類を変えてるんですよ。ランコム(LANCOME)の15時間もつのと12時間もつのがあって、それを使い分けてます。

……って、こんな情報、女優さんにしか役に立たないかな。でも、そういう美容系とか女性に嬉しい情報も積極的に伝えていきたいし、もちろん女優としての技術も磨きつつ、男性にも女性にも人気のセクシー女優になりたいですね」

「トップを取る」と力強く語り、仕事でも美容でも常に見られることを前提としたプロ意識で臨む深田えいみさん。連載では随所に深田えいみ節を利かせながら、お悩みに答えていく。

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