パフォーマンス&楽曲の水準の高さに定評!地域密着系アイドル 川崎純情小町☆
地域応援の旗振り役である「ご当地アイドル」。その中でも徹底した地域振興活動で知られるのが川崎純情小町☆だ。ステージでのライブパフォーマンスによる川崎市PRはもちろん、多くの公共団体や企業・店舗とのコラボ活動も行っており、「かわさき産業親善大使」「川崎市消防局 放火火災防止広報大使」「神奈川県赤十字血液センター かわさき献血応援隊」「川崎フロンターレ応援番組のMC」など、肩書は計65個にのぼる。「日本一肩書きの多いアイドル」の異名をとるほどだ。
そのライブでの盛り上がりはアイドルファンの間でよく知られるところ。これまで1,200本を越えるライブイベントに出演してきたというだけでも驚かされるが、ホリプロ主催「U.M.U AWARD 2012」のファイナリストに選抜されたことも。また、結成5周年時には地元川崎の大型ライブハウス「クラブチッタ」にてワンマンライブを開催するなど、川崎に寄り添う唯一無二のアイドルとして目覚ましい活動を続けてきた。
17:00開式!宮内桃子さん卒業ライブ
そんな川崎純情小町☆に2015年から在籍し、後輩たちをここまで引っ張ってきたのが、宮内桃子さんだ。彼女自身のファンはもちろん、後輩たちのファンにとっても「お世話になった」感があるだけに、その卒業ライブをしかと見届けようと、ソーシャルディスタンスを意識しながらも、会場には大勢のファンが集結した。
当日は彼女の母親も最前列で見守るなど、会場はまさに卒業式といった雰囲気。とはいえ、さみしさ以上に「盛り上げるぞ!」という空気が満ち満ちていたのが印象的だった。
赤一色に染まる客席。歌声に感謝の気持ちを込めて
会場が暗転し入場SEが流れ出すともに、観客が手にしたサイリウムが一斉に点灯。もちろん、サイリウムの色は宮内さんの担当カラーである赤だ。
1曲目はドラマティックな歌い出しから始まる「キミと作る物語」。宮内さんの歌声と、「みんなで行くよ!オイ!オイ!」という煽りに合わせて拳が突き上げられ、クラップが打ち鳴らされる。
いつも以上の熱気の高まりに加え、間奏ではメンバーの宝生麻佑さんから「ももちゃんいつもありがとうー!」と卒業式ならではの掛け声が贈られるなど、これが特別なライブであることをあらためて実感させる内容だ。
「わたしのこと、好きになってくれますか?」と、
「川崎セルビアンナイトにお越しのみなさん、こんばんはー!人情、愛情、We are 純情!川崎純情小町☆です!」と元気いっぱいに客席に向けて挨拶した4人。
「みんなのフェチは?内もも~!川崎区担当のももちゃんこと宮内桃子です!」宮内さん恒例の自己紹介に、満場のファンが赤いサイリウムを振って応える。
MCでは、最前列に彼女の母親が来場していることや、ファン、川崎フロンターレ、事務所の先輩である木下ほうかさんから贈られたお花の紹介など、たくさんの「ありがとう」を重ねていく宮内さん。こんなところからも、これまでの活動を支えてきてくれた人たちへ一貫して感謝の想いを寄せ続ける、彼女の誠実なキャラクターがうかがえる。
かおりん、あずあず、そしてあかりすも!祝福に駆けつけたOGメンバーとの共演
「みんなで盛り上げていきましょう!次の曲はみんなが知っている曲です。心の中で歌ってください!」とファンに向けられたメッセージで始まったのは、川崎市民にはおなじみの市民歌「好きですかわさき愛の街」。この曲で会場が一体となった後、宮内さん以外のメンバーがいったんステージを降りる。
その代わりに登場したのは、元リーダーの「かおりん」こと前田薫里さん、「あずあず」こと長嶺あずささん、そして「あかりす」橋本朱理さんらOGメンバー。しかも客席には「ミリエル」の愛称で知られる立田美梨花さんの姿もあり、宮内さんの卒業ライブを祝福する来賓が大集結といった様相だ。
このメンバーで歌うのは、ステージで演奏するのはおよそ3年ぶりという「裸々乱!」。「ヨイヤッサ!」と威勢のいい掛け声がかかる元気な曲ながら、演奏されることが少ないため、ファンにとってはちょっとしたサプライズになったようだ。
その後は、「夢色音色」「Brand New High」と、人気曲が続く。前田さんの伸びのあるボーカルは卒業した今も健在で、現在の川崎純情小町☆とは一味違う魅力的なステージをファンは大いに堪能したことだろう。
3曲を歌った後、OGゲストは宮内さんとの懐かしいエピソードに花を咲かせた。
「最初の頃はダンスが苦手で思うように踊れず、顔が赤くなってて(笑)。でもそれを見て『こういう子こそがアイドルなんだ』ってすごく思ったんです。応援したくなる気持ち、人を巻き込む力がある!」(前田さん)
「あず(長嶺)って他人と何時間も一緒にいることができないタイプなんです。CM撮影の時ももちゃんと一日中一緒にいて、
「最初に桃子が入ってきた時、わたしは研究生だったから先輩のか
といった具合に、それぞれの思い出を時に涙をこぼしながら語って楽しませてくれた。
現メンバーからも「心細かったと思うんですけど、リーダーのような気持ちで引っ張ってくれました」(宝生さん)、とはなむけの言葉が。ライブではあまり話さなかった服部さんも、終演後のブログで「『尊敬するアイドルは?』と聞かれてもずっと答えられなかったけど、
宮内さんのことを知らない人でも、彼女が先輩・後輩どちらからも慕われる人物であったことがわかるはずだ。
拝啓、ファンのみなさま。絆と成長を感じさせるMC
続いて、宮内さんがソロ曲を披露してくれた。選んだ曲は、往年のアイドル小泉今日子さんのカバー「なんてったってアイドル」。この6年のアイドル活動と歌詞とを重ね合わせるかのように、丁寧に歌いあげる姿が目に焼き付いている。
MCでは、「本当にありがとうございます!これからもみんなのアイドルでいさせてください!」と客席ひとりひとりの表情を確かめるように伝えた後、この日のために用意した手紙を読み聞かせてくれた。
グループのかっこいいパフォーマンスに感化されて研究生になると決めたこと、いつも励ましてくれた先輩たちのおかげで歌やダンスへの苦手意識を克服できたこと…。途中、感極まって声が詰まるたびにファンからの拍手が彼女の背中を押す。
そして今度は、そんなファンに向けて感謝の言葉が贈られる。雨の日も、雷が鳴る日も、極寒でも炎天下でも、時間を作ってイベントに駆けつけ応援してくれたファンに対する尊敬、いたわりの念がないまぜになった複雑な想いについて、涙ながらに語る宮内さん。
「おいしいお寿司を食べている時、みんなもちゃんとごはん食べて
そうかと思えば、事務所の社長に対して「社長の期待には十分過ぎるほど応えたと思います。わたしのような逸材が入ったことにもっと感謝してほしいです!」と笑いをとる場面もあり、彼女の成長ぶりをうかがわせた。
ファンとの結びつきの強さを最も感じさせたのが、最後のメッセージだ。「今後、ももちゃんが何かに挑戦する時、みなさんが支えになります。ももちゃんがアイドルじゃなくなっても、ももちゃんのこと好きでいたいと思いますか?ももちゃんは卒業するけど、いちばん好きでいてくれますか?」
そんなナイーブな彼女の問いかけに、ファンたちは首を大きく縦に振りながら拍手して応える。この6年で、彼女はファンとの間で強固な信頼関係を築いてきたようだ。
静かで熱い圧巻のラスト
後半戦は、王道アイドル曲「カラフルデイズ」から、和の世界観と力強いパフォーマンスで魅せる「華鳥風月」「風林火山」を経て、「溝ノ口太陽族」が本編の最後を飾った。ますます精彩を放つ歌とダンスはもちろん、歌の合間に手拍子を煽る宮内さんの全力パフォーマンスで会場の熱量が最大値に。
しかし、宮内さんもファンもこれでは終われない。アンコールを求める手拍子は続き、ふたたび川崎純情小町☆の4人がステージに登場する。
「アンコールありがとうー!次がほんとにほんとに最後の曲です。みなさん悔いを残さないように右手を回してください!一緒に川崎を盛り上げていきましょう!」
この呼びかけで始まる曲はもちろん、「川崎純情音頭」だ。その場にいた観客の全員が「とんとんとことんかわさっき!」と心の中で大合唱(していたに違いない!)。宮内さんの卒業ライブのステージは大団円で幕を閉じた。
* * *
卒業してしまった宮内さんだが、10月1日(金)に川崎の「クラブチッタ」で開催される「川崎純情小町☆結成10周年記念スペシャルライブ」に、橋本さんら他の多数のOGメンバーとともに参加する予定だ。宮内さんロスに悩まされているファンには朗報と言えるだろう。
卒業後に彼女がどんな活躍を見せてくれるか、ファンにとってはますます目が離せないところだが、目下、橋本さんとともに、fempass上でいろんなことを計画中だという。今後、ふたりがどんな企画で楽しませてくれるか、期待とともに見守りたい。
【SET LIST】
01.「キミと作る物語」
02.「小町ING!LOVE♡」
03.「それでも、わたし…純情小町でいていいですか?」
MC
04.「好きですかわさき愛の街」
05.「裸々乱!」
06.「夢色音色」
07.「Brand New High」
08.「なんてったってアイドル」
MC
09.「カラフルデイズ」
10.「華鳥風月」
11.「風林火山」
12.「溝ノ口太陽族」
アンコール.「川崎純情音頭」