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君の温度 第12回 楓カレン

SERIES -君の温度

連載「君の温度」は、女優さんの素顔に着目して、彼女たちの新しい魅力をお届けします。
第12回目の被写体は、楓カレンさん。夜の渋谷周辺を散歩しました。
真夏の夜の空気と楓さんの麗しい表情をお楽しみください。

写真・コハラタケル/文・星野文月

さっき突然降ってきた夕立が、街に残った熱を少しだけ奪っていった。湿度を含んだ空気が肌にまとわりつくようで、僕は息をするのがなんだか苦しいと感じた。

気がつけば隣に君がいて、僕の横を当たり前みたいな顔をして歩く。

なんだか明るい、と思ったら君の肌が光っていて、夜なのに、ここには夕闇しかないはずなのに「光がある」とそんなことをたしかに思った。

「毎日夜が来て、一日がちゃんと終わるのっていいよね。何度だってまたはじめられるような気持ちになるから」

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