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大久保佳代子インタビュー【前編】4ヶ月に1回ぐらいムラムラできる穏やかなパートナーがほしい

「芸能界で活躍を続けてきたなかで、改めて人生を振り返ってみて思うことは何か?」もしくは「紆余曲折を経て40を過ぎてから大ブレイクした経歴を持つ彼女が、改めて人生を振り返ってみて思うことは何か?」

文:廣田喜昭 写真:佐賀章広 インタビュワー:山根愛美/廣田喜昭
ヘアメイク:天野良美 スタイリスト:野田奈菜子

50代に突入した大久保さん、一番の変化は?


――今日は大久保さんが話したいことを自由に話していただくインタビューです。

大久保佳代子(以下、大久保) 話したいことはと言われれば、特にないですね。何か世の中に訴えるとか、そういうのは全然ないです。

――それでは質問です(笑)。今年で50歳になられて、体や気持ちの変化などはありましたか?

大久保 50歳、なりましたね。体の変化はありますね、40代からガタガタガタって、色々あって。あとは親の年齢とか、この先そんなことばかりだと思ってます。


――具体的な変化でいうと、夜眠れなかったり? 

大久保 これがまたね、最近、夜眠れるんですよ。
私が飼っている愛犬のパコ美ちゃんは、朝、太陽とともに起きるんです。最近遮光カーテンを買ったんですが、安かったからか、家の中が朝日でガンガン明るくなって。

そうなるとパコ美が私を全力で起こしに来て、ずっと見てくるから、私も起きちゃって、今だと夏なのもあって6時台に散歩行くんですよね。そうなると、もう二度寝もできない。

――そうすると、夜眠るのも早くなりますね。

大久保 そう。夜も必然的に10時過ぎぐらいから「もう寝てもいいな」という気持ちになってきて。
でも、あまりにも早いともったいないから「11時になったから寝てよし」って決めて、寝ますね。前は50歳過ぎのタレントさんが「朝5時に起きます」と言っているのは嘘だと思ったけど、あぁ私もそうなっていくんだなって。

――大久保さんはお酒が好きなイメージがあるので、そのライフスタイルは意外です。

大久保 4、5年前まではよく飲み行ってたね、三宿にね。やっぱり年齢だよね。
年齢とともに生活リズムがいいほうが昼間も心地よく過ごせることがわかっちゃったから、もう無茶はしないね。でも、無茶したいよ、ほんとに。

――今はコロナ禍で飲みに行けませんし。

大久保 誘いもないし、あったところで行かないしね。ちゃんと普通に家に帰って、早く寝て、起きて。これを幸せといえば幸せだし、この人生いいのかなっていう気にもなる。

「土手を走らずタクシーで会いにいく」大久保さんの50代の恋愛

――コロナが収束したらやりたいことは?

大久保 この1年半ぐらいは「停滞の停滞」じゃないですか。新しい人にも出会えていないし、決まった人とだってたまにしか会わない。元気があるなら意欲的に人に会いたいですけどね。

50歳になって、もう60歳が見えてきて、まっしぐらに老化していくのもあるけど、まだ50歳だから自分の動き方次第ではもちろん恋愛もできるかもしれないし、新しい人と出会って新しい分野の何かがはじめられるかもしれない。

だから、逆に今が「大事な時期だな」という気がしていて。その期間を1年半、みんなそうだからしょうがないけど、棒に振ってるという気持ちはある。

――恋愛も、まだまだこれから?

大久保 50歳も新しい出会いを求めていいし、もう諦めたとは全く思ってなくて。居心地がよくて、4ヶ月に1回ぐらいムラムラできて、そのぐらいの穏やかな人がいいね。恋愛することで感情を乱されて、それこそ眠れなくなったり、スマホばかり見たりするような生活はしたくないけど。

でも、それが「恋」って言ったら恋だったような気もするし。そういう気持ちにならなくていいと思えるパートナーとの恋愛は恋愛と呼べるんだろうかとかも思っちゃう。

とはいえ、今はもう20代や30代前半でしていたような「気付いたら土手を走って会いに行く」みたいなのはね……。

――土手を走っていたんですね(笑)。

大久保 そう、私は乙女だから。50歳で人を好きになって、そういう関係になったときにどうなるかね。今は昔みたいに土手を走らずとも、タクシー代がしこたまあるからタクシーでどこにでも行けそうだけどね。

新しい人との出会いを求めている

――新しいお相手とどう出会うかも気になります。

大久保 まあマッチングアプリかもね。いい話がよく耳に入ってくるじゃない、マッチングアプリで結婚したとかさ。でも、私は昭和46年に生まれてさ、人に対しては慎重に生きてきたつもりで。それなのに、ここに来て急にマッチングアプリだよね。たがが外れたみたいに全然知らない人と会ってね。

でも、その慎重な考え方を変えない限り、「やっぱり出会いって運命だよね」なんて言っていたら運命なんてなさそうだし、自分が動かない限り、そういうのはないような気もするしなあ。

――有名人の大久保さんは、人からの紹介のほうがリスクは少なそうですね。

大久保 うん。でも申し訳ないけど、ある程度、見えやすい肩書を持っている人がいい。これはちょっとうさんくさい肩書じゃないかとか、ホームページを一回調べさせてもらう。怪しい会社もいっぱいありますもんね。

私はよく今まで無事で危ない目に遭わずに来たなと思うけど、注意しなきゃいけないのは今後だよね。とはいえ、ある程度、警戒心を緩くしとかないと、何も起こらず、人を疑って死んでく人生になるから。

――注意しつつも、新しい人との出会いを求めて。

大久保 そうね。ほんとありがたいんだけど、いとうあさこさんは仲いいし、家も近所だからご飯するけど、あさこさんが週2回ぐらいのペースで誘ってきた時は「勘弁してよ」って思う。謎の逆ギレね。飲んでいて、顔をパッと見ると、「なんで毎回いるんだよ」って。

毎回同じ話をして、それがもう同じリズムで同じ感じで。ただ、そういうのが意外と嫌じゃないというか、安心安定の相手として私を選んでくれているからいいけど、私はたまに「いやいやいや、またおまえか」って。「もっと外に目向けようよ、お互いに」とも思う。

――同じ話をする安心感がまた心地いいんでしょうね。

大久保 話の内容がマイナーチェンジされてたりしてね。だったらNetflixで映画1本見たほうが自分のためになる。そう言いながら、寂しくなると、やっぱり人と顔を見て、人と同じペースで酒飲んで、いい感じで酔って、っていうのをやりたいから、お誘いさせていただくんですけどね。

――コロナが収束したら、みんな爆発しそうですよね。

大久保 確かに、ベビーブームが来たりしてね。あとは高齢化社会で高齢者の結婚率がぐっと上がったり。だからチャンスかもしれない。そこを私も逃さないようにしたい。

パートナーがいたらいいが「都合よすぎとも思う」


――これまでに結婚を考えたことはありましたか?

大久保 20代、30代はほんとに楽しくて、自分のことで手いっぱいだった。気付いたら40歳になっていて、45歳を超えて、今、50歳になった時に「あれ? いつの間にこんなになっちゃって。あれ? 結婚のタイミング失ってきたな」みたいな感じ。あの時はあまり気付いてなかったね。

――テレビの第一線で活躍されていて、そんな暇もなく。

大久保 35歳ぐらいの頃はいつでも結婚できると思ってたけど、何か動くわけではなかったんだよね。周りの女性の芸人さんを見ていると、みんな40前ぐらいでちゃんと動き出してんのよ。

それをやり忘れたのが、私や光浦さん、黒沢さんとか。だから、何もやってこないで「運命の出会い」はない、かな。楽しく自分のことばかり考えてやってきたから、しょうがないよね。

でも、今、パートナーはいたらいいなとは思う。

――結婚はしなくても、一緒に添い遂げるパートナーが。

大久保 老後になってきてね。でも、だいぶ前にテリー伊藤さんと話した時に「今まで好き勝手に自分のことだけ考えて楽しんできたんだから、孤独死ぐらい受け入れろ、ばか」って言われて、「なるほど」と思った。
好き勝手に楽しくやってきて、何を最後だけ都合よく人がそばにいてほしいなんて言ってんだと。
だから、ちょっと都合よすぎるかもね。ここからパートナーがいて、残りの老後を頼って頼られてみたいなのは、ちょっと欲張りすぎるのかな。だから、あんまりガツガツ急にマッチングアプリやったりとか、知らない人に急に会ったりとかはよくないね。

――厳しい意見ですね……。

大久保 いとうあさこさんが近くにいなかったらと思うと、ビビるよね。だから、周りよりも先にいっときたい、パートナーがほしいっていうのはあるね。残される怖さというかさ。

もしも、あさこさんから結婚報告があったら、「おめでとう」って言えるかなあ。言うとは思うけど、だいぶ飲み込むまでに時間かかりそう。結婚したから気軽に誘えないし、家に勝手に遊び行っちゃ駄目だよなあとか。そうなったら事細かに聞くよね。「どうして? どうやって?」って。

やっぱり、この歳の彼氏ってすごい重要で、重要なだけに想像が全くつかないんだよね。

――求めているのは、安心できて、スマホを見なくてもいい関係ですよね。

大久保 そう。でも、そこまでの関係になるのに、たぶん半年ぐらいかかるでしょ。そういう人と出会いました。相手も私のこと好きです。じゃあご飯行きましょう。ご飯食べて何事もなく帰る。3週間ぐらい連絡ない。またご飯行きましょう。そういうのを2~3回繰り返して、これって付き合ってんのかな、みたいになって。

それ、男友達との境は何って言ったら、セックスするかしないかだよね。
でも、できんのかなあ、そんな3週間に1回会う人とセックス?

――どうでしょうか……。

大久保 発情するかね、お互い。よっぽど相手が若くてムキムキの性欲ばかみたいな人だったらいけるかもしんないけど、そうじゃなかったら、そんな落ち着いたところから、「じゃあホテル行きます?」って行けるかね? だから未知なんだよな。どうしたらパートナーというポジションをお互いに取れるのか。
でも、諦めてはいないんでね。ネバーギブアップです。ほんとに。

最後に大久保さんから皆さんにメッセージ頂きました!

後編のテーマは「第二の人生」。今年カナダに留学した光浦さんに対して何を思い、大久保さん自身はどのように未来を描いているのでしょうか?

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