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ラブホテルのパイオニアで味わう特別な異空間——【週末に大好きななあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル】vol.3

SERIES -週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル

一緒にいられるなら、どこだっていい。
ーーなんて、ごめん、きれいごと。
どこだっていい、けど。ほんとうは、よりきれいでゴージャスがいいし、非日常を存分に味わいたいし、そんなに遠い場所じゃなくて気軽に行けて、お泊りセットも持っていきたくないし、お財布もあんまり傷まない……すべてのわがままを叶えてくれるところで、一緒にいたい。
そんな、”都合の良さ”がぎゅっと凝縮しているのが、今どきのラブホテル。
旅行誌には載らないけれど、遜色なく魅力的なホテルを、久留木玲さん(以下、久留木)とともに発掘&紹介してゆきます。

ホテル目黒エンペラー
Address 〒153-0064 東京都目黒区下目黒2-1-6
http://www.meguroemperor.com/

目黒川にかかる橋を渡る前から、異彩を放つ存在感に誰もが気づくはず。

「おかあさん、おしろがあるよ」

そんなふうに指さして、親を困らせた記憶が、ふつふつと蘇ってくる。そんなお城が、いま、目の前にある。

久留木「わあー! お城! って、まさに思いました。こういうレトロな雰囲気、大好きなんです。内装はどうなっているんだろうって、入る前からわくわくしました」

目黒の隠れたランドマークとも言える、”お城”こと目黒エンペラー。開業は昭和48年という老舗で、数え切れぬほどの昭和のアベックたちを熱く火照らせてきた。目黒エンペラーきっかけに、全国に城型のラブホテルが乱立、パイオニア的存在とされている。
先駆者の威厳は入り口からすでに放たれているようで、豪奢なシャンデリアと、人が入りそうなほど大きいアンティークの壺がお出迎え。さらにフロントには、ワインセラーが置かれ、大きな花瓶から贅沢に溢れた生花が生けられている。
そして、金板にはホテルからのこんなメッセージが。

ワンランク上の
サービスを合い言葉に
“最上級のひととき”を
提供できるよう
伝説のホテルが新たに
生まれ変わりました。
一人でも多くの
紳士淑女のお客様に
私たちの
ホスピタリティマインドが
届きますように…

否応なしに、期待が高まる。
今日のお目当て、704号室に向かう通路が、さらに異世界へといざなう。
やっぱりシャンデリアと、ふかふかなペルシャ絨毯に、昭和レトロな壁紙、そして油絵。
ここは、花輪クンのおうちですか?
部屋の扉を開けると、アンティークショップにいるような感覚におちいるほどの、年代物のインテリアがずらり。陽光が反射して光がこぼれるシャンデリアに、重厚な織りのソファ、いまどき見たことない。

久留木「内装もお城だ! シャンデリアにアンティーク家具に、女の子が喜ぶものがつまっていますね。わたし、アンティーク調が大好きで、おうちもこういう家具を揃えているんです。大事な人にここに連れてきてもらったら、すっっごく喜ぶでしょうね。『ありがとう!』って」

テレビからは、VIPをもてなす「紳士淑女のお客様に……」という心地よく響く渋い声のナレーションが流れていて、なんだか、「ここにふさわしい淑女にならなくては」と、ふるまいに身が引き締まる一方で、久留木さんは、ベッドに吸い込まれるように駆け寄り、ぽふん、と腰を落とす。

久留木「ふっかふか……寝ちゃうなあ、これは」


「ヘブンリーベッド」と名のつくこのベッド、恵比寿の5つ星ホテルであるウェスティンホテルが独自開発した究極のベッドだそう。
900個の独立したコイルスプリングで構成されたマットレスは、まるで雲の上で眠っているような感覚にいざなってくれるんだとか。
どうりで久留木さんも、すぐにリラックスしてしまったのだけれども、目を閉じる前に、ちょっと待って。とっておきの空間が、まだある。
優美なドレープのカーテンを開くと、庭園が目の前に現れる。レンガの壁があって、滝もあって、水を求めて鳩まで飛んできた。

ヒール音がコツコツと響く石造りに降りて見上げると、遮るものがない、都会の空。
見下ろせば、春には目黒川沿いの桜がきっと見えるはず。
だいぶ前にラブホテルの領域を超えているけど、ここでまた異次元さがアップしているようで、フェミニンなワンピースを着て空中庭園を歩く久留木さんが、どこかのご令嬢にしか見えないくらい。


さらに。

久留木「ジャグジーまであるんですか!? 早くお湯を溜めましょ溜めましょ!」

早る気持ちを抑えながら、湯が溜まるまでしばし室内へ戻り探索すると、ダーツに広々としたメイクルームに、内湯にはサウナもあって、やっぱり規格外だらけ。

さて、湯が溜まったところでアメニティのバブルバスを入れて、ジャグジーのスイッチをオン。
とたんにフローラルの香りが立ちのぼり、気分が高揚する。

久留木「気持ちが上がりますねえ。泡風呂って、やりたいなあって思っても、自宅ではもちろん、普通のホテルでもできないし。こういうところじゃないとできませんからね」

太陽の下、念願の泡風呂に、脚の先からゆっくりと浸かる久留木さんは、「ジャグジーが強めでうれしい」とうっとり顔。

久留木「昔の恋人と、ラブホテルのジャグジーに入ったこと、思い出しちゃいました。泡の中でちょっとエッチなことをし合って、盛り上がっちゃって、体を拭く時間も惜しいくらい焦れちゃって、パパっと拭いて水を滴らせながらベッドになだれ込んだことがあったなあ……って。ふふ、照れちゃいますねえ」

思わず目を閉じ没頭してしまうほど、心地よい庭園バスジャグジー。
ここで恋人とまったり浸かり続けるもよし。バスローブを羽織り、庭園に備えつけられたイスで熱を冷ますもよし、なんならルームサービスのワインをたしなみながら。部屋に戻って、シャンデリアが揺れる大きなベッドの上で戯れるのも、もちろんよし。
どの瞬間も、異空間での特別な体験には代わりない。

久留木「たとえば、長く付き合った大事な人と、記念日に来てみたいですね。1年に1度来るからこそ、特別な体験をしてみたい。ひとつひとつ、特別を噛みしめながら、過ごしてみたいです」

幼少期、密かに夢見た、あのお城。憧れを叶えるならば、ぜひ、パイオニアで。

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気分は高級リゾート。大槻ひびきもココロ弾む特別な極上空間【週末に大好きなあの人とお泊りしたい、ちょっとオトナなラブホテル】vol.1

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