藤本祐介役:宮本聖矢
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――fempassCinemaに出演した際の現場の雰囲気や印象に残っていることを教えてください
宮本聖矢さん(以下、宮本) 現場の雰囲気を一言で言い表すと、”チームみんなで絶対いいもの作るぞ🔥っていう熱気で溢れてた”です。各部署がいろんな意見を飛び交わせて、これ良い、それ良いってアイデアを出し合っている。
撮影中ってカメラの映像を確認できるモニターが置かれているんですけど、その前にプロデューサーさんやメイクさん、制作側の人達みんなが集まっていて釘付けになっているんです。そしてカットがかかると、「今の良いなぁぁぁぁ!!」「くぅぅうぅ〜〜〜っ」みたいな声がめっちゃ聞こえてくる。(笑)そんな光景が特に印象に残っていまして、皆がこのシリーズの成功を願い、そして心から楽しんでいる雰囲気を肌で感じ、出演できてよかったなって心底思えたことを思い出しました。
また、実際に世に出たシリーズ各話からその熱量が上手く昇華されてるとも感じます。映像クオリティの高さ、魅力ある俳優さん達のお芝居、一癖も二癖もあるお話の構造。素敵なシリーズに仕上がるのも納得できる程現場には熱量がありましたし、出演していない他のお話の現場もきっと楽しかったんだろうなって想像できます。
――役作りで意識したことはなんですか
宮本 愛されるキャラクターに仕上げることです。祐介ってなかなかのクセ者で(蓋を開けたら登場人物みんなクセだらけでしたが)、でもこういうタイプって愛される側面も持っているのかなと思いました。人間臭いってやつ。
そしてクズはクズでも「バカだな〜」って許されるようなクズを目指そうと思い演じました。また、演じていく中で監督とアイデアを出し合い一緒に作り上げられたことがとても嬉しかったです。
リップの隠し方、ベランダへの追いやり方などなど…いかに打算的で、その場しのぎで、自分本位な人間なのか。そのほとんどが現場が進んでいく中での監督とのコミュニケーションで生まれた演技であって、結果的にとても素敵なキャラクターに仕上がったと思っています。
――fempassCinemaでご自身が演じたキャラクターについて、キャラクターの心情や行動に共感できましたか
宮本 浮気はしたことないですけど、祐介がとった行動(浮気)の根本に寂しさがあったことを思うと、ああやって”他の何か”で今を補おうとする行動原理は凄く解る気がします。とても人間臭い。
考えれば他にも方法はあっただろうし、冷静になればダメなことだって分かったはず。それでも浮気をしてしまう、”今”をとってしまうって、祐介って本当に弱い人間なんだなって。僕自身弱い部分ってたくさんあって、祐介みたいな地雷の踏み方を経験したことがないと言えば嘘に…。あ、浮気じゃないですよ。(笑)
祐介を反面教師に、何に対しても思いやりを持って生きていきたいですね。ひとまず、たとえば浮気中に彼女が家に帰ってきたとして修羅場が訪れたとしても、素っ裸の女性をベランダに追いやるようなことはせず、潔く土下座ができる男になろうと思います。(?)
――出演回の主人公のキャラクター:速水晴奈(性格や考え方や行動)について思ったことや感じたことがあれば教えてください
宮本 晴奈、ほんと素敵だと思います。好きな男性に会う前の女性ってこんなにキラキラしているんだって気付かされました。愛おしくて尊い。好きなものに真っ直ぐでいるって、年齢を重ねれば重ねるほど難しくなっていくと思っていました。
リスクとか、デメリットとかそういう類のものに縛られて。だからこそ、祐介の家に行くときの晴奈はめちゃくちゃ愛おしい。逆を言えば、祐介と違って”いい意味”で後先考えていなくて、そんな少年少女のような心を持った大人でいたいなと、自分の未来像を見つめ直すきっかけにもなりました。
また、晴奈を演じる山岸あや花さんのナチュラルで上品なお芝居とその人柄が、晴奈の魅力に拍車をかけているんだと思います。これは裏話なんですが、現場でずっと笑顔だった山岸さんがとても印象的でした。
晴奈もきっと普段からポジティブで、底抜けに明るくて。演じる本人も同じように太陽のような方でしたから、仕上がった本編でも魅力的に映っているんだろうなと。そんな普段の笑顔を目の当たりにしたからこそ、祐介負けてらんねぇな!って触発されていました。
――実際に本編を見た感想、おすすめポイントを教えてください
宮本 おすすめのポイントはズバリ、晴奈の無限大の愛おしさと祐介の超ド級のクズさです。そのまんま。(笑)
メロウで、不穏で、可哀想で、クソッタレで、、、ショートムービーですがかなりのジェットコースター仕様になっているので、そのスピード感とスリルを味わって欲しい。そして是非、最後には祐介のことを罵って欲しいなって思います。
――他の話を見て感じたことを教えてください
宮本 『あの人を超える人がいない』の美月(未歩ななさん)の、関係を持った男共を評価、査定していたノートを見た時、マジでゾッとしました。怖い。怖すぎる。もし美月と僕が関係を持った場合、星幾つになるんだろう…星1な気がする。とか、流石に自分に照らし合わせて想像してしまいました。怖すぎる。(笑)
『狂ってる』では晴奈パパ(ゆかわたかしさん)が出てくるんですけど、あの時も衝撃でした。パパ!おい!おまっ…何してんねん!!って。言葉は汚いですが、晴奈の周りってロクな奴がいない(祐介含め)。本当に幸せになってほしいって思います。
響いた回、刺さったシーンにはなりますが、『求めてくれるなら、誰でもよかった』のまどか(美谷朱里さん)が難波(卯ノ原圭吾さん)に誘われ、祐介にバレないようにそ〜っと家のドアを閉めるカットがあるのですが、あそこが大好きです。暗闇から暗闇へ。まどかの表情がなんとも言えない寂しさを語っていて、前も後ろもきっと良いことなんてないのに、それがわかっていても抑えられない気持ちがとってもエモい。そしてエロい。凄く印象的です。
一旦僕の出番は終わってしまいましたが、このシリーズが持っているクオリティと華にはとても感心しておりまして、制作の皆様の努力と情熱には尊敬の念でいっぱいです。
だからこそ、このシリーズがもっと多くの方々に届くよう祈っておりますし、そんな作品にまた少しでも良いから携わりたいと強く願っております。
控えめに言っても僕はfempass Cinemaの大ファンです。また皆様にお会いできる日が訪れますように。そして、この現場でしか体験し得ないあの熱気を味わえますように。これからも応援しております!
――最後に記事を見ている方へ一言
宮本 fempass Cinemaシリーズのどれもが、見ている皆様の心の琴線に触れるトリガーを持ち合わせていると思います。苦い思い出やしょっぱい思い出、はたまた幸せだった思い出を思い出しながらプラスアルファで、今やこれからのための参考教材にもして頂きたいなと…。(笑)
そして、面白かったら是非隣の人にもおすすめしてみてください。きっと、○話のああいう感じの人が〜、○話のこれにそっくりな人が〜って盛り上がれると思います。