つぼみ プロフィール
1987年12月25日生まれ。1000本以上の作品に出演、現在はMOODYZ、ワンズファクトリーでダブル専属。週刊誌に連載を持ち、映画・ドラマ・舞台などにも出演。ほかにもYoutubeへの出演や音楽活動など幅広く活躍中。
気付けば15年。ファンの方に支えられてここまできた
――今年でデビュー15周年。AV業界では珍しいロングキャリアを振り返って、どう思われますか?
つぼみ はじめのころは、きっと数本出たら辞めるんだろうなぁと思ってたんですよね。
でも、3年くらい続けてから「こんなに経っちゃった」と思うようになり……それから15周年までは、気づいたら過ぎていました。
最近は年下の女優さんがどんどん増えてきたから、現場で威圧しちゃってないかなって心配になったりします。
まったくそういう気持ちはないんですが……。
――それくらいベテランなのに、ファンの間では「終身名誉処女」というキャッチコピーがついていますね。
つぼみ 自分では全然特徴がないと思うので、そういうふうに何かしら名前をつけてもらえるのはありがたいです。
そうやって観てくださる方がいるから、続けてこられました。
活動中盤からは、ファンの方の存在が本当に大きな支えです。
――たとえば、ファンの方との交流はどんなパワーになっていますか?
つぼみ「これ観たよ」とか「応援してます」とか言われると、本当にうれしいんです。
相手は軽い気持ちで言っていたとしても、すごく大きく受け取っちゃう(笑)。
それが15年間積もり積もって、今ではあふれんばかりになっていますね。
最近はコロナ禍のせいで直接会えるイベントはなくて、SNSや配信を介したオンラインのやりとりが中心になっています。
でも、テキストだと逆に「あの作品のあのシーンがよかった」みたいに具体的な感想が言いやすいみたいで、うれしいコメントも増えています。
求めてくれる人がいるとわかれば、そういうシーンや仕草を増やそうと思うので、言ってもらえるとありがたいです。
男優さんの顔を見られないほど、人見知りだったけれど
――つぼみさんは、とても人見知りだと聞いています。
つぼみ そうなんですよね。
「男優さんの顔を見て」「カメラを見て」と言われても、恥ずかしくて見られない。
これじゃだめだってすごく悩みました。
でも、正直に相談したら、事務所が「毎回同じスタッフさんでやってもらおうか」と言ってくれたんです。
それからはしばらく同じ方ばかりの現場にしてもらえて、少しずつ慣れることができました。
でも、メーカーも制作会社もバラバラの作品に出る企画単体女優になってからは、そんな悠長なことは言ってられなくなりましたね。
そこからは荒療治です(笑)。
――頑張って克服していったんですね……! そのほか、キャリアの中で困ったことは?
つぼみ しいて言うなら、美容院やマッサージに行って「お仕事何されてるんですか?」って聞かれるときは、毎回困りますね。
最近は「無職です」って最初に言って、もう突っ込みにくい空気にしてます(笑)。
――セクシー女優とは、どんな仕事だと思っていますか?
つぼみ エロのコンテンツって、普段の生活で抱えているストレスや生理的な欲求を、ひとときだけでも解消できるものだと思うんです。
作品によっては心を癒やせるし、気分転換にもなる。
毎日大きなパワーを供給し続けられるものではないけれど、一瞬一瞬をささやかに支えるものになれてたらいいなって思いますね。
なんか……きび団子みたいな?(笑)
生きていく途中でときどき食べて元気を出す、一種のアイテムみたいな存在でありたいです。
たまに「今度の作品は苦手なプレイだから見られないよ」っておっしゃる方もいるけど、それこそキャリアが長くなってきたので、いろんなジャンルに出てるんですよね。
だから、ぜひ好きなものを選んで観て、って言えます。
――いい意味で淡々と、静かな誇りを持って仕事をしているのが伝わってきます。
つぼみ ただ、ファンの方が離れていっちゃうときは毎回さみしいですね。
私としては一生懸命AVをやっているし、イベントとかでもすごく感謝を伝えているつもりなんだけど、それでも「ほかの子がよくなっちゃった」って言われたりして……
そんなときは、やっぱりちょっと「報われないな」って思っちゃいます。
でも、感謝を受け取って私を好きでいてくれる人もたくさんいるから。
なにか落ち込むたびに「いや、誰かのテンションを一瞬上げられたらいいんだから」ってところに立ち戻るんです。
いつでも「おかえり」が言えるように、現役でいたい
――AVだけでなく、お芝居や文章執筆、配信などいろんな活動をされていますね。
つぼみ 配信は素の自分に近くて、観てくださる方と仲良くしたいなと思ってやっています。
お芝居や文章は未知の世界だから、知らないことを教えてもらえるうれしさがある。
まっさらな新人として新しいチャレンジができるチャンスってなかなかないし、習い事とかでも、ちょろっとかじるのが好きなんですよね。
でも、AVは私にとって「一番やらなくてはいけないこと」。
他ジャンルのお仕事は全部「つぼみ」というAV女優がいたからこそ派生したものだから、そこはおろそかにしたくないと思っています。
――自分や将来をイメージして、思い浮かべるカラーは何ですか?
つぼみ すっきりしたスカイブルーです。
こういう空を見たら、気持ちがクリアになる気がする。
私は生きてきて年々気持ちが自由になったし、きっとこれからもそうなっていくんだろうなって予感がするんです。
若かりし頃のほうが、もっといろんなことで「私はこうしたいのに」なんて悩んでいました。
でも、そういうモヤモヤって、開き直りが結構大事。
100年経ったらどうせ死んじゃうんだから、気が済むように生きていけばいいのかなって今は思います。
つぼみ せっかく15年も続けたので、20年とか25年とかやってみたいですね。
新人のころに応援してくださっていた方が、数年ぶりにイベントに戻ってきて「ただいま」って言ってくれたことがあるんです。
そういうことが一つひとつ、すごく感慨深い。
いつでも「おかえり」「戻ってきてくれてうれしい」って言えるように、現役でいたいです。
風間ゆみさんは25年くらい続けていらっしゃるそうだから、私も後ろを追いかけていきます。