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#古着女子 vol.8 架乃ゆら【early00編】

小田急電鉄の複々線化事業などに伴う一連の開発で生じた、旧線路跡地における下北沢の大型開発。年月をかけてゆっくりと街の様相を変えていく下北沢で、2019年にオープンした『early20』。駅前だけでなく、街中も再開発されていく中で、2024年には住所を変えて『early00』として生まれ変わりました。

#古着女子 vol.8では、架乃ゆらさんが『early00』を訪れ、オーナーである重光さんのセンスと『early00』のエッセンスがたっぷり詰まったコーディネートを着こなしました。今回はそんな撮影の思い出を振り返りながら、重光さんに『early00』のこと、古着のこと、下北沢のことを語ってもらいました。

写真・TOYOHIRO MATSUSHIMA / 文・ミクニシオリ

early00

🏠Open 13:00-20:00

東京都世田谷区北沢2-29-14 2F

古着店オーナーの目から見た、架乃ゆら

『early00』の古着はすべて、オーナーである重光さんがアメリカで直接買い付けてきたもの。店内の服はY2Kファッションを基軸としながら、アメリカらしいカジュアルさ、こなれ感があるリラクシーなアイテムも多く取り揃えられています。

重光 架乃ゆらさんはフレッシュで若々しい魅力を持ちながらも「どこにも染まらない」強い個性を感じさせる存在でした。Y2Kと言っても、細かいジャンルが色々あるのですが、今回は特に日本らしい、ポップな服が似合うのではないかと思い、コーディネートを提案させていただきました。

重光 アーティスティックな雰囲気も持っているので、コーディネートは思いっきり遊びました。可愛らしいお顔立ちをしているのに、かっこいい服もさらりと着こなしてしまう……モデルとしてもすごい才能をお持ちだと思います。

重光 意識したのは、彼女がもともと持っている個性を引き立たせること。オーバーサイズもしっかり着こなしてくれました。アイテムもかなり目立つものを入れたのですが、ヘアメイクとのバランスもよく、最終的には女の子らしい仕上がりとなって、彼女にしか出せない雰囲気が際立ったのではないかと思っています。

重光 この企画には数回目の出演になるのですが、毎度女優さんたちのポテンシャルの高さには驚かされますね。服の雰囲気に合わせた表情づくり、ポージングがとても上手です。普段から役に入り込む癖がついているからなのでしょうか。架乃さんに関しては、それでいて「自分らしさ」を消していない。古着を着こなしてくれる人としては、またとない人選だと思いました。

重光 今回はどのコーデでも靴で外しにいって、うまいこと違和感を演出させることができましたね。女性がオーバーサイズを着る時、どうしても服に着られている感じが出てしまうこともあると思うのですが、そういう時は靴を目立たせたらいいと思います。ボトムスに重たさを持ってくる時は、靴もある程度目立つものを履いてみると、意外と馴染みますよ。

派手なアイテムにあえて派手なものを合わせちゃうのも、Y2Kならではの感覚。最初はちょっと不安かもしれませんが、時代感がよく出るので、小洒落て見えやすいと思います。

2000年代を知らない若者が、今の下北沢のメイン層

昔は高い建物などなかった下北沢。地価の高騰もあり、現在は古着街だった北沢2丁目にも、ちらほらと高層マンションが建設され始めています。学生時代から古着が好きだったという重光さん、再開発による立ち退きを余儀なくされても『early20』を閉店させるつもりはなかったと語ってくれました。

重光 なるべく前の場所から離れたくなくて、近所で物件を探しました。ちょっと家賃は高くなっちゃったけど、その分店舗面積は広くできたし、お客さんにとっては服を選びやすい空間にできたと思うので、満足しています。

グレードアップはしましたが、コンセプトやセレクトは変わっていません。昔から変わらず、こなれて見えるY2Kが『early00』のテーマ。クリーンに見える店舗づくりを心がけたので、女性のお客様のご来店も増えました。

僕自身オーバーサイズ服が好きなので、昔から大きめサイズを多く取り扱っていたのですが、最近は女性のお客様に合わせて、ジャストな服、より状態のよい服のセレクト数を増やしています。

コンクリート打ちっぱなしの店舗に、重光さんやスタッフさんがDIYなどを施して出来上がった店内。試着室も広くなって、よりゆっくりと買い物を楽しめる空間になりました。

重光 内装にはかなり投資して、古着屋っぽく見えない空間づくりを目指しました。下北沢の街もだいぶ客層が変わってきているので、古着が大好きという人でなくても、ふらっと立ち寄れるような明るさのある店舗になっていくといいなと思っています。

古着好きのメッカだった下北沢。昨今は再開発やインバウンドなどの影響もあり、駅前にはインスタ映えしそうなカフェも立ち並び、逆口は大手古着屋チェーンの出店も増えているといいます。

重光 下北沢はこの2、3年でかなり街の雰囲気が変わりましたね。原宿の表通りのような雰囲気になって、個人店だけでなく、チェーン店もかなり増えました。客層は少し若くなって、学生さんの来店も増えています。

Y2Kって本当に色々なジャンルがあって、ストリートが好きだった人もいれば、パンクっぽいファッション、ギャルっぽいファッションが好きな人もいた。どの服もコテコテに着てよかったのが、2000年という時代感なんですよね。

世代でなくともどこか懐かしさを感じさせるのが、Y2Kの魅力だと思っています。若い世代が引き継いでいってくれることで、Y2Kというジャンルが将来的に確立されていくと思うので、店舗で刺激を受けてくれるのは嬉しいです。

店舗名は変わっても、想いは変わらない。「人々に最高の着こなしを」

原宿でも古着店を経営している重光さんいわく「古着店は、原宿よりも下北沢の方が出店数が増えている」のだそう。駅前の様相は変わっても、下北沢はまだ「古着の街」であることは間違いないのです。

重光 駅前に立ち並ぶ古着店は、この店より安い服を売っていることもあるでしょう。だけど僕は、自分の古着のバイイングに誇りを持っているし、状態の良さや接客の質には自信があります。

重光 ウィズコロナ時代に青春を生きた今の学生さんたちは、古着屋での接客に抵抗がある人も多いような気がしています。グループでいらっしゃって、僕たちに対して少し気まずそうな顔を見せる方もいます。

だけど僕だって、学生の頃は店員さんにたくさんアドバイスしてもらって、どんな服がかっこいいのか、どんな着こなしができるのかを教えてもらいました。今はスマホで色々調べられるのかもしれないけれど、ここで売っている服の一番かっこいい着こなしを提案できるのは、僕らスタッフだと思っています。

重光 ネットを使えば家でも服が手に入る時代ですが、店舗では実際に試着ができて、買わない服も組み合わせて、着こなしを参考にすることもできます。せっかく店舗に足を運んでくれるのなら、怖がらずになんでも聞いてもらえたら嬉しいですね。

店舗では、接客のクオリティを一番に意識しているという重光さん。最後に「これからの古着文化」について、思いの丈を聞きました。

重光 通販文化の定番化とともに、一点モノの価値は高まっていると思います。情報リテラシーの高まりとともに、探せないものなんてなくなってきている側面もありますが、古着は「誰がセレクトしたか」も重要な価値基準です。

知識のある人が選別した商品とそうでない商品では、服の状態も質も全然違う。タグを検索したらフリマサイトでも買えるかもしれませんが、少なくともうちでは、コピー商品なんて絶対扱いません。この時代に、あえて『early00』を訪れてくれる人を大切にしていきたいと思っています。名前は変わっても、その想いは開店時から変わりません。

これからもぜひ『early00』を、よろしくお願いします。

画像をみる(ギャラリー)

early00 公式Instagram
early00 公式サイト
架乃ゆら 公式X
架乃ゆら 公式Instagram
エスワン 公式X(旧Twitter)
エスワン 公式HP

#古着女子 vol.8 架乃ゆら【前編】

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私たちの生活に欠かせないファッション。自分のために着る服も、誰かのために着る服もあるでしょう。あんな服やこんな服、本当はもっと、いろいろ着てみたい。それに……大好きな推しのファッションだって、あんなテイストやこんな服、いろんなあの子を見てみたい。

今回は架乃ゆらさんと下北沢のユーズドセレクトショップ『early00』を訪れました。自身も好きだというY2Kなお洋服に身を包んで、今日も元気な笑顔をカメラに向けてくれました。

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