Story.5 宮下玲奈 素直になれなくて
素直になってよ、なんて言われても
私の中では頑張ってるつもり
ポーカーフェイスだよね、なんて言われてもよく分からない
私にとってはこれがフツーなの
嬉しい気持ち、寂しい気持ち
どうして上手く伝わらないのかな
この部屋に笑顔が溢れていた頃
疲れた顔で帰ってくるあなたを見て
支えてあげたいって思ってた
その気持ちは今だって変わらないのに
いつだって、些細なことですれ違う
約束を忘れちゃった日 連絡が遅くなった日
悪気なんてないの、本当は分かってる
ただ…ただ、寂しくて
あなたに頭を撫でてもらいたかった
想いをそのまま口にできる子が羨ましい
ほんの少しのプライドが、私もあなたも傷つける
ねえ本当は、あんな言い方したくなかった
私は強いよって、安心させてあげたかったのに
雨の日はいつだって、上手くいかないんだ
ドアの隙間からは雨雫と孤独がしのび込んできて
ひとりきりの部屋でなら 自然と流れる涙
ごめんねの気持ちがこぼれ落ちていく
「あなたの前でもこんなふうに泣けたなら」
いつだって後悔してばかり
大好きな人の前で素直になれない私
飽和する想いは心に留まったまま
こんな雨の日に出ていって
今何してる？ずぶ濡れになってない？
スマホ一つで繋がることもできるけれど
今はまだ、その勇気すら出ないんだ
