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PIECE of NAIL #10 八木奈々とおとぎ話の空色ネイルと、息ができる場所と

女の子にとって、ネイルって特別なもの。連載「PIECE of NAIL」では、魅力的な女の子の指先と素肌に着目しました。第10回は、彫刻のような美しさを帯びた八木奈々さんとその身体と一緒に、懐かしいドロップのような青さが印象的なネイルを撮影。爪に負けないほどの意思と、希望すらをも感じさせる八木奈々さんの眼差しとともに、彼女の頭の中を冒険していきます。

写真 母鳴大地
文 ミクニシオリ

思考を繰り返して、もっともっと広い世界へ

思慮深く、物静か。八木奈々さんの持つ楚々とした雰囲気に、違った面影をプラスする、おとぎ話のような青いネイルには、彼女の好きなものがたくさんちりばめられています。

ホイップを絞ったお菓子、大きなリボン、知らない世界に連れていってくれる本。細い指と小さな爪の中で、彼女の世界観が構成されているのです。

不思議の国のアリスが着ているドレスのような、澄んだ空色。

本とともに、思考の冒険を繰り返してきた八木奈々さん。豊かな想像力を持つ彼女をそのまま表現したかのようなネイルとともに、ゆっくりとシャッターを切っていきます。

八木奈々(以下、八木) 普段は自分でセルフネイルをしています。こんなに大きなパーツは自分ではつけられないから新鮮だし、印象的な水色もとっても気に入ってしまいました。

八木 今回、爪をどんなふうに表現したらいいか、どんな表現ができるのか、色々調べたり、考えたりしている時間も楽しかったです。

調べたり考えたりは、彼女にとって趣味のような時間でもあります。そんな八木さんの頭の中は、いつも新しい世界への好奇心でいっぱい。

カメラの前で、様々な表現を楽しんでくれた八木さん。大人の階段を登っていく中でも、印象的な瞳は、あの頃から変わらない彼女の魅力の一つです。

八木 コミュニケーションが苦手なようには見えない、と言っていただけることが多いのですが、1人でいる時は無音の空間にいたい。だからやっぱり、プライベートは寂しい時間を過ごしているけれど、私はそんな時間がないと生きていけないんです。

音のない自室は、深い海の底のよう。さながら八木さんは、無重力をたゆたう儚い人魚。

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