こんなはずじゃなかった
あなたに出会って変わってしまった
不器用でどうしようもないところも
変に意固地なところも
歪み、くねった心のかたちも
人と違うといわれる生き方も
自分で作ってきたものなのに
自分が嫌いだったところなのに
愛してもらってから初めて自分でも受け入れるようになって
あなたの穏やかさを受け継いで
知るはずもなかった感情を産んで
したことのない、恋をした。
「だれか止めて」
と訴えたくなる
知らないことがひどく恐ろしいものに思える
知らない自分がひどく醜いものに見える
知らないあなたをひどく遠く感じる
「だれか教えて」
と嘆きたくなる
この気持ちの消化の仕方をわたしは知らない
自分がどうなっていってしまうのかをわたしは知らない
あなたの心の変化をわたしは知らない
どうか、
“これ”を、わたしとあなたの最後の恋にさせてください。
と、いない神様へ願ってみたりして
わたしたちの中だけでは“純愛”だと信じ込んでみたりして
これが恋ならだれかとめて。