初めて会った日の空は青く、澄んでいた
じめじめした湿気を吹き飛ばすような爽やかな空気が身体を纏って、
蒼と茜の入り口が混じり始めた夕刻にわたしたちは出会ったのだった
いくつもの偶然が重なって巡り合ったその日は、時間が経ってからも必然だったのだと思い知らされた
いつもなにかが共鳴するように
上昇と下降を繰り返す波が訪れても
離れていても“同じ”なのだと安心できて
一人でだって深い青の広がる星空を眺めて
繋がっているのだと実感できた
自分の人生なんだから好きにしていいでしょ、が自暴自棄じゃなくて希望に変わった
受け止めてくれるのを理解してるからいくらでも溢れる愛を注ぎ続けられるようになった
ずっとピロートークのような気もするし、始まる前のような気もするし、とにかく心地がよくて
そんなことを思うのは
この短くも濃いと自負のあった人生でも初めてで
この短くもしんどいことの多かった人生でも初めてで
友愛であり、親愛であり、信愛であり、恋でもあった
何度の夜を励まし合い、笑い合い、泣き合ったかわからない
どれほど、ただ、そこにいてくれるあなたのやさしさとあたたかさに包まれたかわからない
それくらいもうわたしにとっては大きな存在になっていた
大人になってからこんな出会いがあるなんて思ってなかった
新しく心に灯りがともった感覚がじんわりとわたしを照らしていく
その光はどこか懐かしくて、もう帰ることが出来ないと思っていた場所を生み出してくれているようだった
親と疎遠になり、兄弟とも連絡を取らず、あまりいい思い出のない地元を
遠い記憶にして、苦くても咀嚼して、そんなこともあったなぁと昔話にできるようになった
同じ土地で生まれたことが誰かとのつながりを強く固いものにしてくれるなんてあの時のわたしには想像ができただろうか